スーパーやコンビニで「一番搾り」と書かれたビールやサラダ油を見かけることがあります。「一番」と付くからには、「全体の50%まで?」「最初の30%くらい?」など、搾り取る量や割合を表していると思っている人も少なくありません。しかし実は、「一番搾り」は何パーセントまでという意味ではなく、製造工程を表す言葉なのです。知っているようで意外と知らない「一番搾り」の本当の意味を、ビールと食用油を例にわかりやすく紹介します。
「一番搾り」とは何%までをいうの?
結論からいうと、「一番搾り」は**○%までという割合を示す言葉ではありません**。
「最初に自然に搾り出されたものだけを使う」という、その商品の製法を意味する名称です。
そのため、「一番搾り=最初の○%」という業界共通の基準は存在しません。
このことを知ると、ビールや食用油の商品名の意味もぐっと理解しやすくなります。
ビールの「一番搾り」とは?
ビールは、麦芽を糖化してできた「もろみ」を濾過(ろか)し、麦汁(ばくじゅう)を取り出して造られます。
このとき、自然に流れ出てくる最初の麦汁が「一番搾り」です。
その後、麦芽にお湯を加えてさらに成分を取り出す工程が「二番搾り」と呼ばれています。
一般的なビールでは、一番搾り麦汁と二番搾り麦汁をブレンドして使用します。一番搾りの比率が高いとされていますが、その割合は各メーカーの製法に関わるため、公表されていないことがほとんどです。
一方、キリンビールの「一番搾り」は、その名のとおり一番搾り麦汁だけを使用しています。二番搾りは行わず、搾り終えた麦芽はそのまま別用途へ回されるなど、製品には使われません。
この製法によって、雑味が少なく、麦本来のうまみやまろやかな味わいが楽しめるのが特徴です。
サラダ油やゴマ油の「一番搾り」とは?
「一番搾り」という表示は、食用油でも見かけます。
通常、サラダ油などは原料となる種子や果実を圧搾したあと、残った油分を無駄なく取り出すために溶剤を使って抽出する工程が加えられます。
ところが、「一番搾り」と表示されている油は、最初の圧搾だけで採れた油を使用しています。
つまり、二段階目の溶剤抽出を行わないのが特徴です。
特にゴマ油やオリーブオイルでは、この違いが風味にも大きく表れます。
一番搾りの油は香りが豊かで、素材本来の風味を楽しみやすいことから、高品質な油として人気があります。
「一番搾り」は品質ではなく製法を表す言葉
「ゴクゴク!」「ピエーッ、苦いニャー!」

写真はこちらからお借りしました。
「一番搾り」という言葉から、「最高級」や「最も品質が高い」という意味をイメージする人も多いでしょう。
しかし、本来の意味は「最初に搾り出されたものだけを使う」という製法を示すものです。
もちろん、一番搾りだけを使うことで風味や香りが豊かになることはありますが、「一番搾り=必ず品質が上」というわけではありません。
二番搾りを組み合わせることで味のバランスを整えたり、効率よく原料を活用したりする製法にも、それぞれの良さがあるのです。
まとめ
「一番搾り」は、「最初に自然に搾り出されたものだけを使う製法」を意味する言葉であり、「何%まで」という割合を示すものではありません。
ビールでは最初に流れ出る麦汁だけを使い、食用油では最初の圧搾だけで採れた油を使用します。
普段何気なく目にしている「一番搾り」という表示も、その意味を知ると商品の見方が少し変わってきます。次にビールやサラダ油を手に取るときは、「どのように搾られたのか」という製法にもぜひ注目してみてください。





