スウェーデンの女性児童文学作家セルマ・ラーゲルレーヴ(Selma Ottilia Lovisa Lagerlöf)原作の「ニルスの不思議な旅(ニルスのふしぎなたび)」のテレビアニメで、最終回はどうなるのでしょうか?

写真はこちらからお借りしました。
ニルス、半年ぶりに故郷へ帰る
いたずら好きのために妖精(ようせい)を怒らせ、魔法(まほう)で体を小さくされてしまったニルス。
その代わり、動物と会話ができるようになり、それがきっかけでニルスは旅に出るのですが、その最終回は以下の通りです。
ニルスは、雁(がん)の群れとともに、半年ぶりに故郷(こきょう)へ帰ってきます。
が、小さな体のままでは両親に会うこともできません。
するとそこへ、ともに旅をしていたガチョウのモルテンも帰ってきます。
モルテン、危機一髪!
ニルスの両親は、モルテンを見つけると、モルテンを抱き上げて自宅に入りますが、その直後、モルテンの悲鳴(ひめい)が家中に響き渡ります。
「わーっ、何するんだぁ! 助けてくれぇ!」
「ニルス──!」
なんと、お金に困っているニルスの両親は、お祭りのために、やむなくモルテンを殺そうとしているのです!
その様子を陰(かげ)から見ていたニースは、友達のモルテンの悲鳴に、もういても立ってもいられなくなり、自分が小さな体であることも忘れて、
「お父さん、お母さん! お願いだから、モルテンを殺さないで!」
と叫び、玄関のドアを、必死(ひっし)の形相(ぎょうそう)でガンガン叩きます。
解けたニルスの魔法、そして雁との別れ
ニルスの両親は、これに気づくと、玄関のドアを開けます。
するとその瞬間、光が満ち、ニルスにかけられていた魔法が解けてニルスは元の大きさに戻ります。
こうして、モルテンを救(すく)い、両親との再会を果たしたニルスは、雁(がん)の群れを見送りに行きます。
しかし、魔法が解けたニルスには、もう雁(がん)の言葉は分からなくなっていました。
ニルスの言葉も、もはや雁(がん)には通じません。
それでもニルスは、かつて一緒に旅をし、長い時を過ごしたばかりでなく、一生忘れることのない数多くの思い出をつくってくれた仲間に、別れと感謝の言葉をかけ続けます。
雁(がん)は、ニルスとの別れを惜(お)しむように、ニルスの頭上を何度も旋回(せんかい)し、やがて飛び去っていきました。
「ニルスの不思議な旅」のテレビ放送
1980年1月8日 – 1981年3月17日(全52話)