写真は、こちらからお借りしました。
始祖鳥(しそちょう)の翼は、その面積と羽毛(うもう)の少なさ、そして体の大きさから考えると、空を飛べるようなシロモノではなかったことが分かります。
せいぜい、ニワトリのように、高い所から飛び降りるくらいが精一杯だったでしょう。
そうすると、この始祖鳥には、空を飛ぶためではないのに何故翼ができたのか、という疑問が残ります。
これについては諸説紛々(しょせつふんぷん)ですが、その中には、思わず笑ってしまうようなものもたくさんあります。
そのひとつが、体温調整用だったという説です。
始祖鳥は、寒いときには羽毛をふくらませて体を温めるのですが、暑いときには翼をパタパタさせて涼(すず)みます。
ここまでは良いのですが、問題はここからで、”ものすごく暑い日に、激しくパタパタやっていると、そのうちに体がフワッと浮いて、飛翔器官(ひしょうきかん)として発達していった”とまでいわれると、思わず笑ってしまいます。
その可能性は否定できませんが、これはちょっとできすぎた話のような気がします。
またこの他に、始祖鳥の羽は、虫捕り用の器官として発達していったとする説もあります。
平たくいえば、始祖鳥の羽はハエ叩きだったというわけです。
しかしながら、どう見ても、この翼がハエ叩きに適しているようには思えません。