海のギャングと呼ばれ、あのホオジロザメすら敵わないという「海の絶対王者」シャチ。そんな強面(こわもて)のイメージとは裏腹に、実はシャチには音楽マニアも顔負けの「肥えた耳」があるという説をご存じでしょうか。今回はそんなシャチの意外な一面に迫る雑学をお届けします。
海の絶対王者、シャチの知られざる素顔
シャチといえば、海洋生物の中でも最強クラスの存在として知られています。映画「ジョーズ」でおなじみの、あの恐ろしいホオジロザメでさえ、シャチにはかなわないというのですから驚きです。
まさに「海のギャング」と呼ぶにふさわしい風格ですが、そんなシャチにも、実は愛らしい一面があります。それが、今回ご紹介する「音楽好き」というエピソードです。
シャチは実は「音楽通」だった?
シャチはイルカの仲間であり、もともと耳の感度が非常に良いことは以前から知られていました。しかし、単に音が聞こえるというレベルの話ではなかったようです。
シャチを長年観察し続けてきたカナダのある研究者が行った実験によると、シャチは音楽に対して非常にノリの良い反応を見せることが分かってきました。まるで音楽を「楽しんでいる」かのような様子だというのですから、へえ!と思わず声が出てしまいます。
ベートーベンに合わせて踊り出すシャチ
実験でまず試されたのは、ベートーベンのバイオリン協奏曲でした。それまで静かに泳いでいたシャチたちに、この曲を聴かせてみたところ——。
なんと、シャチたちは次々と体を動かし始めたのです。
- 水面から跳ねる
- 仰向けになって泳ぐ
- 口をパクパクと動かす
- 尾ヒレを振る
これらの動きを、曲のリズムに合わせるようにして盛んに繰り広げたといいます。まるでコンサート会場で音楽に合わせて体を揺らす観客のような光景を、想像してしまいますね。
どんな曲にもノる、シャチの音楽性
この結果に興味を持った研究者は、その後もさまざまなジャンルの音楽をシャチに聴かせる実験を続けました。すると驚くべきことに、シャチはどんな曲に対してもよく反応したそうです。
ベートーベンのようなクラシックに限らず、ジャンルを問わずリズムやメロディーに反応するというのは、まさに「音楽通」と呼びたくなる感性の持ち主といえるかもしれません。
一度聴いた曲は忘れない?シャチの驚きの記憶力
ただし、面白いことに、同じ曲を繰り返し聴かせ続けると、シャチは次第にその曲に反応しなくなっていったそうです。
これはつまり、シャチが「一度聴いた曲を覚えている」ということを意味しています。単に音に反応しているだけでなく、記憶と照らし合わせて「これは知っている曲だ」と認識している可能性があるのです。
研究者は、この理由について、海の中では常にさまざまな音が響いているため、同じ曲の繰り返しは単調すぎてシャチにとって刺激にならなくなるのではないか、と考察しています。
まとめ:強さと感性を併せ持つシャチという生き物
海の中では最強クラスの捕食者でありながら、音楽に反応し、曲を記憶するという繊細な一面も持つシャチ。強さと感性を兼ね備えたその姿は、私たちが抱く「海のギャング」のイメージを少し変えてくれるかもしれません。
次にシャチの映像を目にしたときは、ぜひ「この子たちも音楽を楽しんでいるのかもしれない」と想像しながら眺めてみてはいかがでしょうか。





