「天地無用」は、「上下どちらでもいい」という意味? それともダメ?

天地無用

宅配便などの荷物の外側に貼られた「天地無用」と書かれたシール。
このシールを見て戸惑った方はいらっしゃいませんか?
天地(=上下)をどちらにしても良いのか、それともダメなのかと。
今日は、その謎を解いていきましょう。

「天地無用」は、上下どちらでもいい?

「天地無用」の意味が上下どちらでも良いのか、そうでないかの鍵を握るのは、天地のあとにある「無用」という言葉です。
この言葉は、一体どのような意味をもっているのでしょうか?

「無用」という言葉は、「問答無用」「他言無用」などにも使われている、強い禁止、制止(せいし)を表わす言葉です。
「逆さまにするな」「壊れやすい物が入っている」というメッセージなのです。

しかしながら、文化庁「国語に関する世論調査」によれば、調査対象の約3割が、その意味を「上下を気にしなくても良い」と答えているといいます。

また、『日本国語大辞典』には、「天地する」という言葉が載っています。
意味は、「上下をひっくり返すこと」。
ここからも分かるように、天地無用とは、「天地するな!」つまり「上下をひっくり返してはダメ!」という意味なのです。

おわりに

「天地無用ニャン! 絶対に天地無用ニャン! よろしく頼むニャン!」


写真はこちらからお借りしました。

今日は、「天地無用」は「上下どちらでもいい」という意味か、それともダメなのかという話を書いてみましたが、いかがでしたか?

前回取り上げた「雨模様」もそうでしたが、意味を勘違いやすい言葉って、探せばまだありそうですね。

雨の様子を表わす言葉、「雨模様(あめもよう)」。実はこ「雨模様」というのは、「雨が降りそうな空の様子」「雨になりそうな状態」のときに使うのが正しい用法です。そもそも、「雨模様」の「もよう」とは、「今にもそうなりそうな様子」を意味する「催い(もよい)」が変化したものです。そのため、「~となりそうな状態」のときに使うのが本来の用法です。の言葉は、雨が降っている状態をいう言葉ではありません。
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