「オバケのQ太郎」といえば、食いしん坊でちょっぴりドジなQちゃんが有名です。
では、Qちゃんの妹「P子(ピーこ)」はどんなオバケだったか、覚えていますか?
実はP子は、兄のQ太郎とはかなり違ったタイプ。
かわいらしい女の子オバケでありながら、頭もよく、オバケとしての能力もQ太郎より上。しかも、人間界にやってきたP子には、Q太郎とは別の物語まで用意されていました。
今回は、そんな「知る人ぞ知るP子」の魅力と、ちょっと意外なエピソードを紹介します。
P子はQ太郎の妹!でも、兄とはかなり違う?
P子は、Q太郎の妹にあたる女の子のオバケです。
Q太郎が人間界で暮らすようになった後、P子もオバケの世界から人間界へやってきます。
ところが、ここで面白いのが兄妹の能力差。
P子はQ太郎よりも頭がよく、オバケとして「化ける」能力にも長けていました。
つまり、
「兄のQちゃんより、妹のP子のほうが優秀」
という、なかなか興味深い兄妹なのです。
Q太郎といえば、オバケなのに変身が苦手で、何かに化けようとして失敗することも多いキャラクター。
それに対してP子は、頭脳派でしっかり者。
兄のQ太郎がドタバタ騒動を起こす一方で、P子は別の角度から物語を動かしていきます。
P子は「留学」で人間界へやって来た!
P子の登場で特に面白いのが、人間界へやって来た理由です。
P子は、オバケの世界から人間界へ「界外留学」することになります。
いわば、オバケの世界から人間社会へ勉強に来たようなもの。
小学館の全集にも、P子を主役にした「P子の界外留学」というエピソードが収録されています。
しかし、P子がやって来たからといって、すべてが順調にいくわけではありません。
そこは「オバケのQ太郎」。
人間界に来れば来たで、当然のように騒動が起こります。
P子は大原家ではなく、別の家に居候する!
ここも、Q太郎との大きな違いです。
Q太郎は正ちゃんの家、大原家に居候しています。
ところがP子は、兄のQ太郎と同じ家に住むわけではありません。
P子が居候することになるのは、ユカリさんの家。
小学館も「オバケのQ太郎」第4巻について、「ユカリさんの家に居候することに決めたP子」が主役となるエピソードが登場すると紹介しています。
この設定のおかげで、P子はQ太郎とは違った人間関係を築くことになります。
そして、ここから生まれたのが、ちょっと珍しい作品です。
なんとP子には「P子日記」という物語がある!
P子について語るなら、絶対に外せないのが、
「オバケのP子日記」
です。
これはP子と、彼女が居候するユカリさんを中心に描いた作品。
つまり、単なる「Q太郎の妹のサブキャラクター」ではなく、P子自身を主人公格として楽しめる物語が存在するのです。
「オバケのP子日記」は1966年に「女学生の友」で連載され、全集では「P子の界外留学」「やせたいユカリ」「しかられましょう」「恐怖のサンドイッチ」など、複数のエピソードがまとめて収録されています。
これは、P子ファンならぜひ知っておきたいポイントでしょう。
「P子日記」は、実は恋愛模様まで描いている!
「オバケのP子日記」を読んでみると、単なるオバケのドタバタ話だけではありません。
P子が居候するユカリさんには、なんと気になる男の子がいます。
その相手が岩見君。
つまりP子は、ユカリさんの恋模様にも巻き込まれていくのです。
「オバケのQ太郎」といえば、Qちゃんと正ちゃんを中心としたドタバタギャグというイメージが強いですが、「P子日記」では少し違った人間関係が展開します。
P子が人間の女の子と一緒に暮らすことで、
「オバケから見た人間の世界」
という面白さも生まれているわけです。
P子は「かわいいだけ」のキャラクターではない
P子の魅力は、見た目のかわいらしさだけではありません。
兄のQ太郎と比べると、かなりしっかりしたタイプ。
しかも、オバケとしての能力にも優れています。
ところが、そんなP子にも苦手なものがあります。
それが、料理や裁縫。
頭がよくて「化ける」のも得意なのに、家事万能というわけではないのです。
このあたりが、実に藤子作品らしいところ。
「何でもできる完璧な妹」ではなく、ちゃんと苦手な部分もある。
だからこそキャラクターとして親しみやすいのです。
P子とQ太郎、似ているようで正反対?
兄のQ太郎と妹のP子を比べてみると、かなり面白い違いがあります。
| Q太郎 | P子 |
| 大食い | しっかり者 |
| ドジな面が多い | 頭がよい |
| 化けるのが苦手 | 化けるのが得意 |
| 大原家に居候 | ユカリさんの家に居候 |
| 正ちゃんとの友情が中心 | ユカリさんとの関係が中心 |
| ドタバタ騒動の中心人物 | 少し違った人間ドラマを展開 |
もちろん、作品によって描かれ方には違いがありますが、こうして見ると兄妹なのにかなり個性が違います。
だからこそ、P子が登場すると「オバケのQ太郎」の世界が一気に広がるのです。
実は「P子」を主役にした作品が残されている!
P子について意外と知られていないのが、先ほど紹介した「オバケのP子日記」の存在です。
現在では「オバケのQ太郎」といえばQちゃんの物語として知られていますが、藤子・F・不二雄大全集では、P子を中心としたこの作品もしっかり収録されています。
小学館の公式紹介でも、大全集11巻には「オバケのP子日記」が収録されていることが明記されています。
しかも、この巻には1965~1966年の「小学六年生」掲載作品に加えて、「女学生の友」に連載された「オバケのP子日記」も収録。
P子というキャラクターをじっくり知りたい人には、まさにうってつけの一冊です。
まとめ――P子は「Qちゃんの妹」だけではなかった!

「オバケのQ太郎」のP子は、Q太郎の妹というだけの脇役ではありません。
頭がよく、化ける能力にも優れた、兄とはひと味違う女の子オバケ。
しかも、人間界へ「界外留学」してユカリさんの家に居候するという独自の設定があり、さらに「オバケのP子日記」では、P子自身を中心とした物語まで描かれました。
Q太郎のドタバタぶりに目を奪われがちな「オバケのQ太郎」ですが、少し視点を変えてみると、P子を中心にしたもう一つの面白い世界が見えてきます。
「そういえばP子って、どんなオバケだったっけ?」
と思った人は、ぜひP子が活躍するエピソードを読み返してみてください。
Qちゃんとは違った、かわいくて賢いP子の魅力に、きっと気づくはずです。






