私たちは日常的に、交通音、工事音、店内のBGM、イヤホンの音楽など、さまざまな「音」に囲まれて生活しています。実はこれらの中には、気づかないうちに耳にダメージを与えてしまう危険な音もあります。
その代表が騒音性難聴です。進行はゆっくりで自覚しづらいため、「気付いたときには聞こえにくくなっていた」という人も少なくありません。
この記事では、騒音性難聴の原因から症状、治るかどうか、そして日常生活でできる予防法まで、わかりやすくまとめて紹介します。
目次
1. 騒音性難聴の原因
騒音性難聴の主な原因は、大きな音を長時間浴びることによる内耳（蝸牛）へのダメージです。
とくに以下のような状況で起こりやすくなります：
イヤホンで大音量の音楽を長時間聞く
工事現場、工場、ライブハウスなどの大音量環境に長時間いる
交通量の多い道路沿いでの生活
突発的な爆発音・花火・銃声などの強い音圧を受けたとき
耳の奥にある「有毛細胞（音を電気信号に変える細胞）」は一度壊れると再生しません。そのため、日常的な音の積み重ねが難聴の引き金になります。
2. 騒音性難聴の症状
騒音性難聴は徐々に進行するため、自覚しにくいのが特徴です。主な症状は以下の通りです：
高い音が聞こえにくい（鳥の声、電子音など）
会話の聞き取りづらさ（特に騒がしい場所）
耳鳴り（キーン、ジーという音）
耳が詰まったような感覚
音が歪んで聞こえる
初期段階では疲れやストレスと勘違いしやすいため、気になる症状が続く場合は早めの受診が大切です。
3. 騒音性難聴の予防法
騒音性難聴は、日常の工夫で予防できます。今日からできる対策は、以下の通りです。
イヤホンの音量は「最大の60%以下」に設定する
・長時間聴くなら、音量は控えめに。
「隣の人に聞こえるほどの音量」は危険サインです。
耳栓やイヤーマフを活用する
工事現場、コンサート、騒音の大きい職場では必須の対策。
100円ショップの耳栓でも効果があります。
騒音の中で長時間滞在しない
できるだけ休憩を挟み、耳を静かな環境で休ませましょう。
スマホの“音量警告機能”をオンにする
多くのスマホには、大音量で使用すると警告が出る機能があります。
4. 騒音性難聴は治る？
騒音性難聴は以下の2種類に分けられ、回復の可能性が異なります。
一時的閾値シフト（Temporary Threshold Shift）
ライブ後や大音量環境にいた直後に
「聞こえにくい」「耳鳴りがする」状態のこと。
通常は数時間〜数日で回復します。
ただし、繰り返すことで「戻らなくなる」危険性があります。
永久的閾値シフト（Permanent Threshold Shift）
有毛細胞の損傷が進むと、元には戻らなくなることがあります。
補聴器などでサポートすることはできますが、
根本的な回復は難しいため、予防が最も重要です。
5. まとめ：日々の小さな習慣が、将来の「聞こえ」を守る！
・騒音性難聴は、大きな音を長時間浴びることで起こる耳の障害。
・初期段階では気づきにくく、進行すると元に戻らないこともある。
・イヤホンの音量調整、耳栓の使用、休息など、日常の対策で予防可能。
・違和感や耳鳴りが続く場合は、早めに耳鼻科を受診することが重要。
日々の小さな習慣が、将来の「聞こえ」を守る大切なポイントになります。
耳を大切にして、安心できる毎日を送りましょう。
おわりに
今回は、騒音性難聴について書いてみましたが、いかがでしたか？
騒音と言えば、飛行機に乗ったときなどに耳が「キーン！」とすることがありますが、これはなぜなのでしょうか？
この話に関しては、以下の記事をお読みください。
