浴室用の、「くもらない鏡」というのが販売されています。
これは、何分間シャワーを出しっぱなしにしようが、浴槽(よくそう)から湯気が立ちのぼろうが透明度を保っている、不思議にして便利な鏡です。
それにしても、考えてみれば不思議です。
この鏡は、何故くもらないのでしょうか?
「くもらない鏡」は、何故くもらない?
普通の鏡やガラスがくもるのは、”結露(けつろ)”という現象のせいです。
温かい空気が急速に冷やされたり、冷たいものに触れたりすると、空気中の水蒸気が凝結(ぎょうけつ)して、ごく小さな水の粒となります。
この水の粒が”露”です。
つまり、浴室の空気は温かくて水蒸気も多いのに、鏡の温度は上がらないため、表面に露ができてくもる、というわけです。
普通の鏡のくもりを防ぐ方法としては、換気ファンなどで湿気を追い出せばOKです。
また、くもり止め用の洗剤も効果があります。
が、もっとも手軽な方法は、体を洗ったついでに、石けんのついたタオルで鏡を拭(ふ)いてやることです。
こうすると、鏡の表面の細かいデコボコに、石けんの界面活性剤(かいめんかっせいざい)が膜をつくり、くもりにくくなります。