「急がば回れ」はそもそも何を回るのか? – 「急がば回れ」の語源

急がば回れ

昔から伝わることわざのひとつに、「急がば回れ(いそがばまわれ)」というのがあります。
これは、そもそも何を回るのでしょうか?

「急がば回れ」は、そもそも何を回る?

「急がば回れ」は、室町時代末期の連歌師(れんかし)である宗長(そうちょう)が残した、

「もののふの八橋の舟(やばせのふね)は早けれど 急がば回れ」

という歌から生まれたことわざです。

この歌にある「もののふ」というのは、武士のことです。
そして、「矢橋の舟」というのは、東海道の宿場町(しゅくばまち)の草津宿(くさつしゅく、くさつじゅく、くさつやど)から大津宿(おおつしゅく、おおつじゅく)までを琵琶湖(びわこ)上でつないだ渡し船を指します。

この船に乗った方が早く到着できますが、突風で舟が転覆(てんぷく)することも多くありました。
そのため、多少遠回りにはなりますが、瀬田の唐橋(せたのからはし)を渡る陸路を使った方がよいと、諭(さと)しているのです。

急がば回れ2

のちに、このことわざは、「落語の祖(そ)といわれる安楽庵策伝(あんらくあん さくでん)」が記した『醒睡笑(せいすいしょう)』という笑い話集で紹介され、日本中に広まっていったのです。

おわりに

「ニャー、ボクたちどうして回ってるニャン?」「分からないけど、何か気持ちいいニャー」「激しく同意」

出典:https://twitter.com/jirosan77/status/1485941224368664579

今日は、「急がば回れ」は、そもそも何を回るのかという話を書いてみましたが、いかがでしたか?
このことわざは、八橋の舟よりも瀬田の唐橋の方が安全というところから生まれたものだったのですね。(^^)

なお、「急がば回れ」と似たような意味をもつことわざには、「急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)」「急がば高火(いそがばたかび)」「走れば躓く(はしればつまづく)」「急ぎの文は静かに書け(いそぎのふみはしずかにかけ)」があります。

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