タイガーマスク運動とは?2010年から全国に広がった匿名寄付の社会現象を徹底解説

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寄付

2010年末、日本全国を温かな感動で包んだ「タイガーマスク運動」をご存知でしょうか?突然始まった匿名の善意の連鎖(れんさ)は、わずか数週間で47都道府県すべてに広がり、社会現象となりました。
何故人々は「伊達直人」を名乗り、児童養護施設への寄付を続けたのでしょうか。この運動の全貌(ぜんぼう)と、その背景にある深い意味を紐解(ひもと)いていきます。

タイガーマスク運動の始まり|群馬県へのランドセル10個から全てが始まった

2010年12月25日、クリスマスの日。群馬県中央児童相談所に、「伊達直人(だて なおと)」と名乗る差出人から、10個のランドセルが届きました。

この出来事が、その後の大きなうねりの始まりだったのです。2011年1月1日には神奈川県小田原児童相談所にも同じ名義で寄付が行われると、瞬く間に全国各地の児童養護施設へ「伊達直人」名義の寄付が相次ぎました。

「伊達直人」という名前に込められた意味|タイガーマスクと孤児院の深い絆

では、何故「伊達直人」という名前だったのでしょうか?

伊達直人とは、梶原一騎(かじわら いっき)原作のプロレス漫画「タイガーマスク」の主人公です。物語の中で彼は、自分が育った孤児院「ちびっこハウス」に、正体を隠しながら匿名(とくめい)で寄付を続けるという設定でした。

この漫画のストーリーと重なる行為であることから、一連の匿名寄付は「タイガーマスク運動」または「タイガーマスク現象」と呼ばれるようになったのです。

全国に広がった善意の輪|ランドセルから金塊まで多様な寄付品

寄贈(きぞう)された物品は実に多彩でした。ランドセルをはじめ、プラモデル、玩具、筆記用具、現金、商品券、食品、紙おむつ、さらには金塊まで。寄付者それぞれが、子どもたちのために何ができるかを考え、行動に移したのです。

また、2011年1月11日には、人気ボクシング漫画「あしたのジョー」の主人公「矢吹丈(やぶき じょう)」名義で、千葉県船橋市の児童養護施設「おんちょう園」に文房具が届けられるなど、伊達直人以外にもさまざまなフィクションキャラクターや実在の人物の名を借りた寄付が全国で行われました。

そしてこの匿名寄付の連鎖は、2011年1月12日までに全国47都道府県すべてに広がるという、まさに社会現象となったのです。

タイガーマスク基金の設立|運動を継続的な支援につなげる試み

この動きを受けて、2011年3月1日、東京のNPO法人「ファザーリング・ジャパン」が、児童養護施設で暮らす子どもたちを経済的に支援する「タイガーマスク基金」の設立を発表しました。

注目すべきは、この基金の発起人に、原作者・梶原一騎の妻である高森篤子(たかもり あつこ)氏や、作画担当・辻なおき氏の妻である辻芙美子(つじ ふみこ)氏も名を連ねていることです。作品に関わった人々自身が、この運動を後押ししたのです。

原作者の実弟が語る運動の意義|「兄がなりたくてもなれなかった姿」

この運動について、原作者・梶原一騎の実弟であり、キックボクシング真樹ジム会長の真樹日佐夫(まき ひさお)氏は、次のようにコメントしています。

「閉塞(へいそく)した時代に風穴をあける連鎖行動」
「この現象で生まれたタイガーマスクは、仕事だけで精一杯だった兄がなりたくてもなれなかった姿だ」

この言葉には、創作の世界で描いた理想が、現実の社会で多くの人々によって体現されたという深い感動が込められています。タイガーマスク運動は、単なる寄付活動を超えて、困難な時代を生きる人々が希望をつなぐ象徴となったのです。

まとめ: タイガーマスク運動は、一人の匿名(とくめい)の善意から始まり、全国へと広がった奇跡のような社会現象でした。この運動は、私たちに「誰かのために行動する勇気」と「善意の連鎖が社会を変える力」を教えてくれています。

参考にしたサイト
タイガーマスク運動 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/タイガーマスク運動

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