
「カエルを空中に浮かせる」「うんちでダイヤモンドを作る」——こんな突拍子(とっぴょうし)もない研究が、実は科学界で表彰(ひょうしょう)されていることをご存じですか?
それが、イグノーベル賞です。
この賞は、「まず人を笑わせ、そして考えさせる」ユニークな研究に贈られる、世界で最もユーモアあふれる科学賞。ノーベル賞のパロディとして始まりましたが、受賞研究の中には驚くほど深い意義が隠されているものも少なくありません。
今回は、思わず「え、マジで!?」と笑ってしまうけれど、よく考えると「なるほど…」と唸(うな)らされる世界のイグノーベル賞受賞研究5選と、日本人が獲得した面白すぎる受賞例5選をまとめてご紹介します!
【世界編】思わずあきれる!イグノーベル賞の意外な受賞研究5選

1. カエルを空中に浮かせた男【物理学賞・2000年】
研究内容:
磁場(じば)の力を利用して、生きたカエルを宙に浮かせることに成功した実験です。
研究者:
アンドレ・ガイム博士(後にノーベル物理学賞も受賞!)
あきれポイント:
「カエル浮かせて何になるの?」と思いきや、これは磁性(じせい)と重力(じゅうりょく)の関係を証明する立派な物理実験。しかもこの研究者、後にノーベル賞とイグノーベル賞の両方を受賞した伝説の人物になりました。
科学の可能性は、カエルと共に空を飛んだのです🐸
2. 牛は地球の磁場に沿って並ぶ!?【生物学賞・2008年】
研究内容:
Google Earth(グーグル・アース)の衛星写真を使って世界中の牧場を調査したところ、なんと、放牧中の牛たちが南北方向(地球の磁力線)に沿って並んでいることを発見!
あきれポイント:
「誰がそんなこと気にするんだよ!」と思いますが、これは動物の磁気感覚(じきかんかく)メカニズムを解明する貴重な研究。牛にもコンパスがあったなんて…驚きですよね🧭
3. トーストはなぜバター面から落ちるのか?【物理学賞・1996年】
研究内容:
トーストが床に落ちるとき、バターを塗った面が下になる確率が高い理由を物理学的に解明した研究。
あきれポイント:
誰もが経験する日常の”あるある”を、ガチで科学実験した姿勢がすごい!
結論:
テーブルの高さとトーストの回転運動の関係で、ほとんどの場合「バター面が下」になるそうです。これを知ったからといって防げるわけではないのが悲しい…🍞
4. トイレットペーパーの正しい向きはどっち?【工学賞・2011年】
研究内容:
トイレットペーパーを「表向き(上から出る)」にセットするか「裏向き(下から出る)」にセットするか——家庭内で永遠に続く論争を、科学の力で決着させようとした研究。
あきれポイント:
くだらなすぎる!でも真剣に検証した結果、「表向き」の方が清潔で使いやすいという結論が出ました。
これで家族会議も終了ですね🧻
5. ニワトリに恐竜の顔を見せたらどうなる?【生物学賞・2015年】
研究内容:
ニワトリに恐竜(きょうりゅう)の3Dモデルを見せて、その反応から進化的関係を調べた実験。
あきれポイント:
「恐竜(きょうりゅう)の顔を見せる」ってどうやるの?と思いますが、実はこれ、鳥類と恐竜の進化学的つながりを研究する真面目な動物行動学実験なんです。
笑えるけど、科学的意義はバッチリ🦖🐔
【日本人編】日本が誇る!爆笑イグノーベル賞受賞研究5選

実は日本はアメリカに次ぐ世界第2位のイグノーベル賞受賞国!日本人ならではの発想とこだわりが光る、選りすぐりの研究をご紹介します。
1. 日本刀の切れ味を科学で証明!【物理学賞・2004年】
研究者:
中垣俊之、村上雅人 ほか
研究内容:
サムライの刀の切れ味を物理的に分析。ゼラチンや竹を切断する際の力を測定し、刀の性能を科学的に評価しました。
あきれポイント:
「日本刀の切れ味」をガチ実験!でもこれ、材料工学や刃物設計にも応用できる立派な研究です⚔️
2. うんちからダイヤモンドを作る男【化学賞・2007年】
研究者:
北里大学・高橋宣之
研究内容:
家畜の糞から炭素を抽出(ちゅうしゅつ)し、人工ダイヤモンドの生成に成功。
あきれポイント:
「うんちから宝石!?」という衝撃。でもこれ、再生資源研究として大真面目に行われたもの。エコで実用的な研究なんです💎💩
3. 鼻毛の本数を数えた男【公衆衛生学賞・2012年】
研究者:
久住治男(ルーヴェン大学との共同研究)
研究内容:
片方の鼻の穴に生える鼻毛の本数を数え、加齢(かれい)との関係を調査。
あきれポイント:
「なぜそこを数えた!?」って全員が思う研究。でも実は、呼吸器の清浄機能や老化メカニズムを探る医学的意義があるのです👃
4. アヒルの行列を流体力学で解明【物理学賞・2022年】
研究者:
京都大学・松本健一 ほか
研究内容:
母アヒルの後ろを泳ぐヒナたちは、前のアヒルが作る波をうまく利用してエネルギーを節約していることを発見。
あきれポイント:
かわいい光景を、まさかの流体力学で解析!でもこれ、船舶設計(せんぱくせっけい)や省エネ推進技術(しょうエネすいしんぎじゅつ)に応用できる実用的な成果なんです🦆
5. 歩きスマホの危険性を数学で証明【動力学賞・2015年】
研究者:
筑波大学チーム
研究内容:
歩きながらスマホを使う人の動きを数理モデルで再現し、他の歩行者との衝突確率を解析(かいせき)。
あきれポイント:
社会問題を、まさかの数式で証明!「歩きスマホは危険」が科学的に裏付けられてしまいました📱⚠️
まとめ:笑いの裏に隠された科学の本質

イグノーベル賞は、一見バカバカしく見える研究ばかり。でも、その裏には「好奇心」「探究心」「科学する楽しさ」がぎっしり詰まっています。
✅ カエルを浮かせた研究者は、後にノーベル賞を受賞
✅ うんちからダイヤモンドは、再生資源の可能性を示した
✅ 歩きスマホの数理モデルは、社会問題解決のヒントに
「面白い」と「役に立つ」は、決して対立しない——それがイグノーベル賞の教えてくれることかもしれませんね。
さて、次はどんな研究が世界を笑わせ、考えさせてくれるのか。これからも目が離せません!