合成洗剤は、第一次世界大戦の産物だった?

合成洗剤

戦争というと、良いイメージがないのが普通ですが、時にはひょんなことから役立つものを生み出したりもしています。
そのひとつが合成洗剤です。

1890年代に合成洗剤ができるまでは、もっぱら石鹸が使われていました。
この石鹸は、紀元前600年にフェニキア人がヤギの脂肪と木の灰を混ぜてつくって以来、常に脂肪が材料でした。

ところが、第一次世界大戦のドイツでは、連合軍の封鎖で天然油脂の供給が絶たれてしまい、軍の輸送機関や兵器の潤滑油が大ピンチとなります。そこで、石鹸の原料である脂肪をそちらに回したため、ドイツ国内では石鹸が不足してしまいます。

そのため、石鹸の代用として登場したのが合成洗剤なのです。
ところがこの合成洗剤、なかなかの実力者で、従来の石鹸にあった、黄ばみやカスを残すといった欠点を見事にカバー。何よりもパワフルな洗浄力で、たちま洗剤界のトップにのし上がってしまいました。

さて、このようにして全盛を極めた合成洗剤ですが、近年は環境汚染の悪玉にも上げられています。
汚れも落ちて、環境も壊さない夢の洗剤が早く生まれてほしいところですね。

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