梶原一騎原作、井上コオ作画のスポ根野球漫画・「侍ジャイアンツ」のテレビアニメで、最終回はどうなるのでしょうか?

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梶原一騎原作、井上コオ作画による伝説のスポ根野球漫画「侍ジャイアンツ」。
1970年代に放送されたテレビアニメ版は、数々の魔球と魂のぶつかり合いで多くの視聴者を熱狂させました。
その中でも語り草となっているのが、番場蛮の野球人生すべてを懸けた最終回です。
「最終回では何が起きたのか?」「分身魔球はどうなったのか?」「蛮は本当に世界一になれたのか?」
この記事では、日米ワールドシリーズを舞台に描かれた最終話の展開を、臨場感たっぷりに振り返ります。
目次
米ワールドシリーズ開催決定!世界一を懸けた最終決戦の幕開け
怒涛(どとう)の勢いで日本シリーズ9連覇を成し遂げたジャイアンツ。
もはや国内に敵なしと誰もが認める存在となった彼らのもとに、衝撃的な知らせが届きます。
それは、日米ワールドシリーズ開催決定の一報でした。
アメリカ最強球団・アスレテックスとの対決――それは単なる親善試合ではなく、事実上の“世界一決定戦”。
選手たちの士気は一気に最高潮へと高まります。
中でも、誰よりも闘志を燃やしていたのが、孤高のエース・**番場蛮(ばんば ばん)**でした。
「世界一のピッチャーであることを証明する」
その想いが、蛮の全身からほとばしっていたのです。
分身魔球、ついに攻略される!アスレテックスの反撃
シリーズは7回戦制で行われます。
初戦はメジャーの実力を見せつけたアスレテックスが貫禄勝ち。
続く第2戦では、蛮の代名詞である分身魔球が炸裂し、ジャイアンツが意地の勝利をもぎ取ります。
しかし、この試合でアスレテックスの4番・ジャックスは、ある“違和感”を覚えていました。
それは、分身魔球の軌道とリズム――攻略の糸口でした。
第3戦を制し、流れを引き寄せたジャイアンツ。
迎えた第4戦、先発マウンドに立ったのは、もちろん番場蛮。
初回、蛮は圧巻の投球で9球・3者連続三振。
しかし第2回、因縁の打者ジャックスとの対決で、歴史が動きます。
蛮の投じた分身魔球を、ジャックスは完璧に捉え、
打球はスタンドを越え、場外へ消える特大ホームラン!
魔球神話は、ついに崩れ去ったのです。
番場蛮、敗北を受け入れマウンドを去る
その一打は、蛮の心を完全に打ち砕きました。
「もう、自分には通用する魔球がない……」
蛮は自らの敗北を認め、マウンドを降ります。
第6戦には帯同すらせず、ひとり孤独の中で敗北感に沈む蛮。
そんな彼の前に現れたのが、
眉月光、ウルフ・チーフ、そして大砲万作――かつて激闘を繰り広げたライバルたちでした。
彼らは言います。
「これは、お前一人の戦いじゃない。俺たちの青春そのものなんだ」
しかし、心を閉ざした蛮はその言葉を拒絶。
ライバルたちは半ば強引に蛮を車に乗せ、球場へ向かいます。
ところが――蛮の足は、なぜか球場とは逆の方向へと向かっていました。
理香の平手打ちが蛮を目覚めさせる
蛮の前に立ちはだかったのは、ヒロイン・理香でした。
彼女は迷いなく蛮の頬を平手打ちし、叫びます。
「逃げるの? それが番場蛮なの?」
その一撃は、肉体ではなく魂を打ち抜きました。
蛮はようやく、自分が立ち向かうべき場所を思い出します。
しかし時はすでに遅く、試合は第7戦・9回表。
スコアは3勝3敗、二死満塁。
打席には、最大の宿敵・ジャックス。
一球でも打たれれば世界一は消える――まさに絶体絶命。
奇跡のミラクルボール誕生!世界一の瞬間
マウンドに戻った蛮は、最後の力を振り絞ります。
ハイジャンプ魔球、えびぞりハイジャンプ――
すべての魔球を投げ尽くしますが、ジャックスは食らいつき、大ファール。
「もう、手がない……」
そう思われた瞬間、蛮の脳裏に閃(ひらめ)きが走ります。
すべての魔球を融合させた究極の一球――ミラクルボール。
蛮が投じたその球は、これまで誰も見たことのない軌道を描き、
ジャックスのバットは空を切ります。
ストライク――試合終了。
こうして、ジャイアンツは世界一に輝き、
番場蛮は名実ともに“世界一の投手”となったのです。
それは勝敗を超え、
挑戦し続ける魂そのものが勝利した瞬間でした。
「侍ジャイアンツ」のテレビ放送(全48回)
1973年10月7日 – 1974年9月29日