不動産広告に、「駅から徒歩10分」などと書かれている時間ですが、これは一体、誰が歩いて決めたものなのでしょうか?
この時間は、1963年(昭和38年)に「不動産公正取引委員会」という団体が定めたものです。
この記事では、この時間は誰が歩いて決めたものなのか、そして、この計算法には実は意外なルールがあることをわかりやすく解説します。
「徒歩1分=80メートル」は、誰が歩いて決めた距離?
「徒歩1分=80メートル」という基準を決めたのは、前述したように、「不動産公正取引協議会」という団体です。
この数字がどうやって決まったのか、その由来には面白いエピソードがあります。
1. 誰が歩いて決めた?
この基準を決める際、実際に歩いて計測したのは「当時の協議会の女性職員」だと言われています。
どんな条件で歩いた?: その女性職員が「ハイヒールを履いて」実際に歩いた時間を計測した結果、1分間に進める距離が約80メートルだったことから、この基準が採用されました。
なぜ女性が基準?: 「健康な成人男性」ではなく「ハイヒールを履いた女性」を基準にすることで、多くの人が無理なく歩ける「少し早歩き」程度の現実的なスピードに設定されたという背景があります。
2. 公的なルールとしての確立
この「1分=80メートル」は、1963年(昭和38年)に「不動産の表示に関する公正競争規約」というルールの中で正式に定められました。これにより、すべての不動産会社が、同じ基準で「徒歩○分」と表示しなくてはならなくなりました。
3. 計算の意外なルール
実際にこのルールを使って計算する場合、3つの注意点があります。
端数切り上げ: 例えば、駅から物件まで81メートルだった場合、計算上は1.0125分になりますが、この場合は「徒歩2分」と表記しなければなりません。1秒でも超えたら「1分」追加される仕組みです。
2. 信号待ちや坂道は含まない: あくまで「道路距離(道のり)」を80で割った数字です。信号待ちの時間、踏切の待ち時間、歩道橋の上り下り、坂道の負担などは考慮されていません。
3. 直線距離ではない: 地図上の直線距離ではなく、実際に歩く道のりで計算されています。
まとめ

「徒歩1分=80メートル」は、不動産業界の団体が、ハイヒールを履いた女性職員の歩く速さをモデルにして決めた基準です。
もし「自分ならもっと早く着く」あるいは「もっと時間がかかる」と感じるなら、それは自分の歩くペースや、信号・坂道の有無によるものということになります。
