
「ココア」とひと口に言っても、実は製造工程の違いによって味や色、使い道が大きく変わります。
お菓子作りのレシピで見かける、
「アルカリ処理ココア」「非アルカリ処理ココア(ナチュラルココア)」「ブラックココア」。
これらは、一体何が違うのでしょうか?
この記事では、それぞれのココアの特徴・味の違い・向いている用途を分かりやすく解説します。
目次
非アルカリ処理ココア(ナチュラルココア)とは
特徴
- カカオ豆をアルカリ処理せずに粉砕
- 自然なカカオ本来の風味
- 酸性(pH5〜6)
色・味
- 色:明るめの茶色
- 味:酸味があり、フルーティーでキレがある
向いている用途
- 酸味を活かしたい焼き菓子
- 重曹(ベーキングソーダ)を使うレシピ
- カカオの個性を楽しみたい人向け
👉 例:ブラウニー、チョコレートケーキ、カカオ感重視のお菓子
アルカリ処理ココア(ダッチプロセス)とは
特徴
- 製造途中でアルカリ溶液に浸して処理
- 酸味が抑えられる
- pHは中性〜弱アルカリ性
色・味
- 色:濃い茶色
- 味:まろやかで苦味が少ない
向いている用途
- 牛乳・砂糖と合わせる飲料用
- ベーキングパウダーを使うお菓子
- バランス重視のレシピ
👉 例:ホットココア、クッキー、シフォンケーキ
ブラックココアとは

特徴
- 強いアルカリ処理を施したココア
- 市販ココアの中でも特殊な存在
色・味
- 色:ほぼ黒に近い濃褐色
- 味:非常に苦く、酸味はほぼゼロ
- 風味は控えめで「色づけ」目的が多い
向いている用途
- 見た目のインパクト重視
- 他のココアとブレンド使用
👉 例:
- オレオ風クッキー
- 真っ黒なクッキー・スポンジ
- ハロウィン・映えスイーツ
※単体使用だと風味が弱くなりがちなので注意。
3種類の違いを一覧で比較

| 種類 | 処理方法 | 味の特徴 | 色 | 主な用途 |
| 非アルカリ処理 | 処理なし | 酸味あり・カカオ感強 | 明るい茶色 | 本格派お菓子 |
| アルカリ処理 | 軽いアルカリ処理 | まろやか | 濃い茶色 | 飲料・万能 |
| ブラックココア | 強アルカリ処理 | 強い苦味・風味控えめ | 黒に近い | 色演 |
レシピ選びで失敗しないためのポイント
- レシピ指定がある場合は必ず守る
→ 膨らみや味に影響 - 色を濃くしたいだけなら
→ ブラックココアを「一部だけ」混ぜる - ココアドリンク用なら
→ アルカリ処理が無難
まとめ:用途に合わせて使い分けよう!
ココアの違いは「好み」ではなく、化学的な処理の違いが大きく影響しています。
- カカオ本来の風味重視 → 非アルカリ処理
- 飲みやすさ・万能性 → アルカリ処理
- 見た目重視・演出用 → ブラックココア
用途に合わせて使い分けることで、いつものお菓子やドリンクがワンランクアップします。