「あらいぐまラスカル」の最終回はどうなる? ~涙なしには見られない、少年とラスカルの別れの物語~

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スターリング・ノースの回想小説・「はるかなるわがラスカル」を原作とした「あらいぐまラスカル」のテレビアニメで、最終回はどうなるのでしょうか?
この記事では、「あらいぐまラスカル」の感動的な最終回をネタバレ解説。スターリングとラスカルが迎える切ない別れのシーン、そしてそれぞれの新たな旅立ちまでを詳しくご紹介します。

あらいぐまラスカル
写真は、こちらからお借りしました。

運命の日―アリスが持ってきたキャンディーに込められた想い

その日は、まるで時が止まったかのように静かでした。

スターリングの家を訪れたのは、幼なじみのアリス。彼女の手には、ラスカルへの最後のプレゼント―キャンディーが握られていました。

「私も一緒に、ラスカルを見送りに行ってもいい?」

アリスの瞳には、別れを惜しむ気持ちが溢(あふ)れていました。しかしスターリングの答えは、静かながらも決然(けつぜん)としたものでした。

「いや、ラスカルとは僕だけで森へ向かうんだ」

少年の声には、迷いのかけらもありませんでした。これは、スターリングとラスカルだけの、特別な時間だったのです。

最後の冒険―カヌーで辿る思い出の水路

アリスに見送られ、スターリングとラスカルは静かにサンダース河へと歩き始めました。

河に浮かべたカヌーに乗り込むと、2人はロックリバーを下り、コシュコノング湖を目指します。揺れるカヌーの上で、スターリングがふとラスカルに目をやると―。

ラスカルは、アリスからもらったキャンディーを、小さな手で器用(きよう)に持ち、舌でペロペロと舐(な)めています。その無邪気(むじゃき)な姿を見つめながら、スターリングの脳裏(のうり)には、走馬灯(そうまとう)のように思い出が蘇(よみがえ)ってきました。

初めてラスカルと出会った日。一緒に遊んだ夏の日々。母を亡くした悲しみを、ラスカルが癒(いや)してくれたこと―。

やがてカヌーは、目的地であるコシュコノング湖に到着しました。スターリングとラスカルは、静かに夜の訪れを待ちます。

満月の夜の別れ―「行って、お前の幸せをつかめ」

ついに、その時が来ました。
空には大きな満月が浮かび、湖面(こめん)を銀色に照らしています。静寂(せいじゃく)を破ったのは、湖畔(こはん)の森から響いてくる、あらいぐまの鳴き声でした。

声のする方角を見ると、一匹のメスのあらいぐまが、じっとこちらを見つめています。まるでラスカルを呼んでいるかのように―。

ラスカルも、その声に反応していました。何度も何度も振り返り、森の方を気にしています。

スターリングの胸に、激しい感情が押し寄せてきました。寂しさ、悲しみ、そして―愛する者の幸せを願う、深い優しさ。

「行って、お前の幸せをつかめ」

スターリングが静かにそう告げると、ラスカルはカヌーから湖へと飛び込みました。水しぶきが月光にきらめきます。ラスカルは力強く泳ぎ、森のメスのもとへと向かっていきました。

湖畔(こはん)で寄り添う2匹のあらいぐま。その姿を、スターリングは涙で滲(にじ)む目で見つめていました。そして静かに、カヌーを漕(こ)ぎ出したのです。

それぞれの新たな旅立ち―感謝と祈りを胸に

数日後、スターリングがミルウォーキーへ旅立つ日がやってきました。
父と一緒に母の墓前(ぼぜん)で手を合わせ、静かに別れを告げると、スターリングは駅へと向かいました。

プラットホームには、アリスとオスカーが待っていました。大切な友人たちと最後の挨拶(あいさつ)を交わすと、スターリングは一人で汽車に乗り込みます。

汽車が動き出し、車窓(しゃそう)から故郷の景色が遠ざかっていきます。緑の丘、流れる川、見慣れた家々―。

スターリングの心には、深い感謝の念が満ちていました。父、アリス、オスカー、そして町の人々。みんなが自分を支えてくれたことへの感謝。

そして何より、かけがえのない親友―ラスカルへの想い。

「ラスカル、どうか幸せに」

スターリングは心の中で、そっと祈りを捧(ささ)げました。少年の新しい人生が、そして森で自由に生きるラスカルの人生が、今まさに始まろうとしていたのです。

「あらいぐまラスカル」のテレビ放送(全52話)
1977年1月2日 – 1977年12月25日

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