東京の夜空に赤く輝く東京タワー。1958年の開業から60年以上、私たちの心に刻まれ続けるこのシンボルタワーには、誰も知らない「もうひとつの顔」があることをご存知でしょうか?
実は、この美しいタワーの一部は、戦場で破壊された戦車から生まれ変わったものなのです。
戦場から東京へ – 知られざる鉄の旅路
時は1950年代後半。高度経済成長期の日本では、鉄鋼材が慢性的に不足していました。そんな中、東京タワーの建設プロジェクトが動き出します。
そこで注目されたのが、朝鮮戦争(1950-1953年)で損傷した米軍戦車でした。
ある業者が、戦地で役目を終えた**約90両の戦車(M4シャーマン戦車とM47パットン戦車)**を米軍から買い取ります。これらの鉄の塊は、海を渡って日本へ。墨田区の解体業者「高野工業所」の手により、丁寧に解体されていきました。
<h2?戦車が「平和のシンボル」に生まれ変わる瞬間
解体された戦車のくず鉄は、製鉄会社へと運ばれ、最新技術によって高品質な鋼材へと生まれ変わります。
その量は、なんと1,000トン~1,500トン。
この「元戦車」の鋼材は、東京タワーの展望台よりも上の部分、つまり私たちが見上げる美しい尖塔部分に使用されたのです。驚くべきことに、この鋼材はタワー全体の重量の約3分の1を占めています。
見出し3:破壊の象徴から希望の灯台へ―東京タワーが語るメッセージ
かつて戦場で破壊と恐怖の象徴だった戦車が、東京の空に輝く「平和と復興のシンボル」へ。
この事実は、戦後日本の力強い復興と、平和への願いを象徴する美しいストーリーといえるでしょう。東京タワーを見上げるとき、その輝きの中に、歴史の重みと平和への祈りが込められていることを、ぜひ思い出してください。
次に東京タワーを訪れる際は、この「隠された歴史」を胸に、新しい視点でタワーを眺めてみてはいかがでしょうか?
