快適なショッピングセンターは、シロアリ塚をまねていた?

シロアリ塚

熱帯に棲(す)むシロアリの中には、巨大な巣(シロアリ塚)を作る種類もいます。
このシロアリが生息する地帯は、昼間は50℃、夜は0℃にもなる過酷(かこく)な環境ですが、不思議なことに、巣の中は常に約30℃の気温に保たれています。

これは一体、どのような仕組みになっているのでしょうか?

シロアリ塚には自動的に湿度調整と換気を行なう仕組みがあった

シロアリ塚は、いわば小さな都市です。
地下にまでトンネルが縦横に張り巡らされており、この中で数十万匹のシロアリが暮らしています。

このシロアリ塚を良く見ると、無数の穴が空いていることが分かります。
これらの穴が、自動的に湿度を調整し、温められた空気が上方に向かう性質を巧みに利用して、余分な熱や汚れた空気を外に排出(はいしゅつ)する仕組みになっているのです。

ハラレのショッピング・センターはシロアリ塚の仕組みを模倣

さて、このシロアリ塚をまねて作られたのが、アフリカ・ジンバブエの首都ハラレにあるショッピング・センターです。
このショッピング・センターの建物には、シロアリ塚と同様に、無数の穴が空けられています。

この構造により、通気性が非常に良く、常に快適な温度と湿度が保たれているために、空調にかかる電力が通常の建物の10%ですむといいます。

シロアリ塚 をまねた ショッピングセンター

他にも、シロアリ塚をまねた博物館では、太陽と地中の冷熱(れいねつ)で空気を循環(じゅんかん)させ、内部の気温を一定に保っているといいます。

参考にしたサイト
アリ塚と空調、自然に学ぶエネルギー | ナショナルジオグラフィック日本版
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5970/

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