薬用石けんは感染症予防に本当に効果がある? – ないばかりか海外では毒性が問題に!

トリクロサン 配合 薬用ハンドソープ
ヨーロッパで禁止が決まった、トリクロサン配合の薬用ハンドソープ

石けんには、普通の石けんと、薬用石けんの2種類があります。

薬用石けんの方には、「薬用:殺菌・消毒」と表示されていますが、果たして風邪や下痢をはじめとする感染症(かんせんしょう)予防に、本当に効果があるのでしょうか?

薬用石けんは感染症予防に本当に効果がある?

海外で行なわれた、数100人規模での薬用石けんと普通のせっけんを使い続けたグループを比べた4件の調査で、感染症の発症頻度を調べた結果、普通のせっけんと比べて効果の差はみられませんでした。

薬用石けんを使わなくても、普通のせっけんでよく洗うことで、細菌やウイルスは洗い流されるので、十分効果があるということです。

効果がないだけならばまだ良いのですが、問題なのは、殺菌・消毒効果をうたった薬用石けん・ハンドソープには、「トリクロサン」という殺菌成分が使われていることです。
これらの調査では、トリクロサン入りの薬用石けんを使い続けることによって、一部の細菌が耐性(たいせい)を獲得し、さらに、トリクロサン以外の殺菌成分や抗生物質(こうせいぶっしつ)へ耐性をもった菌を増やす可能性も示されています。

さらに、トリクロサンは分解されにくく、体内のホルモンを撹乱(かくらん)する環境ホルモン作用が指摘されており、海外では大きな問題となっています。

欧州連合では、農業用途以外の殺虫剤・殺菌剤を規制する法律が存在します。
それは、「殺生物剤(さつせいぶつざい)規制」といい、人間用の衛生用品や、家具やカーペット消毒など用途によって使える成分を規制しているのです。

この殺生物剤規制を所管する欧州化学機関(ECHA)という専門機関が、2015年6月25日に人の皮膚へ直接塗ることによる殺菌効果を目的とする衛生用品へのトリクロサンの使用を禁止する決定を下しました。
規制の理由は、環境への影響と人体への影響の2つが指摘されているというものです。

そのため、P&GやJ&Jなど海外の大手トイレタリー企業は、既に使用中止を表明。
しかしながら、日本では、このトリクロサンは花王「ビオレU」やマンダム「ルシード」など、薬用ソープやシャンプーで相変わらず使用されています。
歯磨き粉やマウスウォッシュなどは、歯肉炎(しにくえん)予防効果があるとして海外でも使用されていますが、欧州では安全性に懸念(けねん)ありとして、2014年に配合濃度上限値を下げました。

しかしながら、日本では配合上限規制がなく、企業も企業秘密扱いで、情報開示をしていません。

トリクロサン使用の有無は、商品の「配合成分」の表示を見れば分かります。
購入前にチェックすることをお勧めいたします。

参考にしたサイト
花王ハンドソープ『ビオレU』はEUで使用禁止の殺菌成分「トリクロサン」入り 環境ホルモン作用、皮膚に浸透:MyNewsJapan
http://www.mynewsjapan.com/reports/2185

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