「ドラえもん」最終回-ドラえもんが変えたのび太の人生

ドラえもん
写真は、こちらからお借りしました。

1.ドラえもんとのび太の別れ

それは、いつものように、青い空に白い雲が浮かぶ晴れた日のことでした。
のび太がふと気づくと、ドラえもんが動かなくなっていました...。

のび太には、その理由は分かりません。
話しかけたり、叩(たた)いたり、蹴(け)ったり、 しっぽを引っ張ってみたりもしたことでしょう。

が、なんの反応も示さないドラえもん。
そんなドラえもんに、のび太は次第に不安になってきます。
つき合いも長く、そして固い友情で結ばれている彼ら。

「ドラえもん...」

そしてのび太は、動かなくなったドラえもんがどういう状態にあるのか、小学生なりに理解するのです。

その夜、のび太は枕を濡(ぬ)らします。
ちょこんと、柱を背にして座っているドラえもん...。
のび太は、眠りにつくことができません。
泣き疲れて、ただぼんやりしています。

2.ドラえもんの故障(こしょう)の原因究明(げんいんきゅうめい)

翌朝、のび太は、無駄(むだ)と知りつつ、できるだけのことをしました。
それでも、何の反応も示さないドラえもん。
当然ですが、ポケットに手を入れてみたり、スペアポケットというものもありましたが、どうしても動作しないのです。

そしてふと、何故今まで気がつかなかったのか、机の引き出し、そう、タイムマシンの存在に気づくのです。
のび太は、着替えをするのももどかしく、パジャマ姿のまま、22世紀へとタイムマシンに乗り込みます。

のび太は、22世紀に着くと、何とかドラミちゃんに連絡を取りつけます。
そして、ドラえもんが動かなくなったことを伝えると、まだ完全には状況(じょうきょう)を把握(はあく)できていないドラミちゃんを連れて、急きょ20世紀に戻ってきます。

「ドラえもんが治る!」

のび太は、うれしかったことでしょう。
しかしながら、のび太はこの後、人生最大の落胆(らくたん)をすることになってしまいます。

ドラミちゃんは、動かないお兄ちゃんを見て、すぐに故障の原因が分かりました。
正確には、故障ではなく、電池切れでした。

そして、電池を交換しようとしたとき、ドラミちゃんはある重大な問題に気づいたのです。

3.いよいよクライマックス

衝撃(しょうげき)の事実!

「予備電源(よびでんげん)がない…」

のび太には、何のことか分かりません。

早く早くとせがむのび太。
そんなのび太に、ドラミちゃんは静かに伝えます。

「のび太さん、お兄ちゃんとの思い出が消えちゃってもいい?」

ドラミちゃんによれば、旧式ネコ型ロボットの耳には、電池交換時の予備電源が内蔵(ないぞう)されていて、 電池交換時にデータを保持(ほじ)しておく役割があったというのです。
が、そうです、ドラえもんには耳がない!

のび太は、事の重要性をやっと理解しました。
そしてのび太の脳裏(のうり)には、ドラえもんとの思い出が蘇(よみがえ)ってきました。
初めてドラえもんに会った日、数々の未来道具、過去へ行ったり、未来に行ったり、 恐竜(きょうりゅう)を育てたり、海底で遊んだり、宇宙で戦争もしました。
また、鏡の世界にも行きました。 どれも映画になりそうなくらいの思い出です。

そしてのび太は、ある決断(けつだん)を迫られます...。

ドラミちゃんは、いろいろ説明をしました。
ややこしい規約(きやく)で、のび太は理解に苦しみましたが、 電池を交換することでドラえもん自身はのび太との思い出が消えてしまうこと、 今のままの状態ではデータは消えないこと、また、ドラえもんの設計者は、設計者の意向(いこう)で明かされていないため、連絡して助けてもらうことはできないという、とっても不思議で特異(とくい)な規約でした。

ただ、修理(しゅうり)及び改造(かいぞう)は自由であることも、この規約には記されていました。

のび太は、ドラミちゃんにお礼をいいます。
そして、一言告げるのです。

「ドラえもんは、このままでいい」

それを聞いたドラミちゃんは、後ろ髪をひかれる思いでしたが、何もいわずに、タイムマシンに乗って去っていきました。
のび太、小学6年生の秋でした。

4.のび太の決意!

あれから、数年後...。

のび太の、何か大きく謎めいた魅力、とても力強い意志、そしてどこか淋しげな目、 眼鏡をさわるしぐさ、黄色のシャツと紺色の短パン。
しずかちゃんが惚(ほ)れるのに、時間は必要ありませんでした。

外国留学から帰国した青年のび太は、最先端(さいせんたん)の技術をもつ企業(きぎょう)に就職(しゅうしょく)し、そしてまた、めでたくしずかちゃんと結婚しました。
そして2人は、とても温かな家庭を築いていきました。

あの日ドラミちゃんが去ったあと、のび太はドラえもんは未来に帰ったと、みんなに告げていました。
そしていつしか、誰も「ドラえもん」のことは口にしなくなっていました。

しかし、のび太の家の押入には「ドラえもん」が眠っています。 あのときのまま...。

のび太は技術者として、今、「ドラえもん」の前にいるのです。
小学生の頃、成績が悪かったのび太ですが、彼なりに必死に勉強しました。
そして中学、高校、大学と進学し、かつ確実に力をつけていきました。

企業でも順調(じゅんちょう)に、ある程度の成功もしました。
そして、もっとも権威(けんい)ある大学に招かれるチャンスがあり、のび太はそれを見事にパスしていきます。
そうです、のび太にあったのは、「ドラえもんを治したい!」、その一心でした。

5.自宅の研究室にて...

あれからどれくらいの時間が経ったのでしょうか。
しずかちゃんが研究室に呼ばれました。
それまでは入ることを固く禁じられていた研究室でした。
中に入ると、夫であるのび太は微笑んでいました。

そして、机の上にあるものをみて、しずかちゃんはいいました。

「ドラちゃん...?」

のび太はいいました。

「しずか、こっちに来てごらん、今、ドラえもんのスイッチを入れるから」

のび太の頬をつたう、ひとすじの涙...。

しずかちゃんは黙って、のび太の顔を見ています。
この瞬間のために、まさにこのために、のび太は技術者になったのでした。
そしてのび太は、静かに、そして丁寧(ていねい)に・・・・、何かを確認するようにスイッチを入れました。

ほんの少しの静寂(せいじゃく)の後、長い長い時が繋(つな)がりました。

「のび太くん、宿題は済んだのかい?」

ドラえもんがいいました。

ドラえもんの設計者が誰であったのか、その謎が明らかになった瞬間でもありました。
空には、あのときと同じように、白い雲が浮かんでいました。

参考にしたサイト | 利ちゃんのちょっといい話
http://kobayashi2.fc2web.com/Goodstory/goodstory1.htm

 

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