えっ? 「てるてる坊主」は女の子だった?

てるてる坊主_1

運動会や遠足などの前日に、てるてる坊主をつくって、「♪あ~した天気にしておくれ~♪」と歌いながら、窓際に吊(つ)るしたことがある方は多いのではないでしょうか?

このてるてる坊主、何せ名前が「坊主」なので、てっきり男の子だと思いきや、なんと、女の子でした!

てるてる坊主は、中国から伝わった

てるてる坊主を吊るして晴れを祈る風習は、平安時代に中国から伝わったといわれています。
中国でこの風習が出来た背景には、箒(ほうき)を持った女の子・「掃晴娘(サオチャンニャン・そうせいじょう)」にまつわる伝説がありました。
それは、以下のようなものです。

遠い昔のこと、雨が降り続いて困っていたとき、天から、

「その美しい娘を差し出せば晴れにするが、差し出さなければ都を水没(すいぼつ)させる」

という声がしました。

そこで、人々を大雨から救うため、その少女は犠牲(ぎせい)となり、天に昇りました。
すると、空は雨雲を箒で掃いたように晴れわたったのでした。

そして、娘たちは、切り紙が得意だった彼女を偲(しの)んで、紙で「掃晴娘」を作って吊るすようになったのです。

女の子が男の子に変わったのは何故?

それでは、中国では女の子だったてるてる坊主が、日本に入ってきて男の子に変わってしまったのは何故なのでしょうか?

その理由は、日本では僧侶(そうりょ)が天候の祈祷(きとう)を行なっていたためだといわれています。
これについては、以下のような伝説があります。

昔、降り続く雨に困っていると、ひとりのお坊さんがやって来ました。
このお坊さんにお経を唱えてもらえば、必ず晴れになるという、有名なお坊さんなのだといいます。

そこで、このお坊さんを呼んで、殿様の前でお経を唱えてもらいました。
しかし、次の日も雨は降り止みません。

罰として、お坊さんは首をはねられてしまいます。
その首を白い布で包んで吊るしたところ、次の日はよく晴れました。
そしてこれが、てるてる坊主の始まりなのだそうです。

雨を降らせたい時にも使えるてるてる坊主

てるてる坊主_2

てるてる坊主は、一般には「晴れにしてほしい」ときに吊るすものとして知られています。
が、調べてみたところ、「雨にしてほしい」ときにも使えるようです。

その場合には、逆さに吊るすか、黒く塗るとよいそうです。

その他、てるてる坊主を作るときは、顔の部分には何も描き入れずにのっぺらぼうにしておき、願いが叶(かな)ったら、ちょうどダルマのように顔を描き入れるのが本来の作法なのだそうです。

おわりに

今日は、てるてる坊主は実は男の子だった、そして、雨を降らせたいときにも使える、という話でしたが、いかがだったでしょうか?

雨の日に、てるてる坊主が窓際に吊るされている姿は、どこかユーモラスで心和むものがあります。
でも実は、その背景には悲しい物語があったのですね。

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